豚コレラの話、すっごい詳細に載ってて流れがよくわかった。
専門的なところは分かってない部分多いけど、
- 従来の豚コレラの発症によって起こる減少と違ったため初動が遅れた
- 発生源の特定ができず対応が後手にまわった
という部分が感染拡大の原因なのかな?と。
以下、下記ブログの抜粋を載っけていきます。
とてもよく分かった。ぜひ読んでもらいたいです。
《目次》
豚コレラの経過など
「豚コレラは教科書の中の病気。豚コレラに罹患すれば、もっとバタバタと豚が死亡するはずだった。」
つまり、後から説明するように、今回岐阜県・愛知県を襲った豚コレラは、これまでの豚コレラウイルスとは特性の異なる新種のウイルスであることが、すべての初動の動作を狂わせていたのだった。
岐阜市柴橋正直市長が~国と県でつくる拡大豚コレラ疫学調査チームが~野生イノシシが最初に感染した可能性があるとの見方を示したことについて「(検討結果の)中身をみると、仮定の話が多い。」と述べたのは至言であった。
豚コレラウイルスが生きながらえる温度は、
①Ph2の場合、60度の温度で10分で不活化
②Ph14の場合、60度の温度で30分で不活化
Ph2って超強酸だしPh14って超アルカリやん…めっちゃ強いな…
豚コレラウイルスが肉加工品などに生存しうる最長日数
塩蔵・燻製17~188日
未調理肉34~85日
パルマ・プロシュート・ハム189~313日
イベリア豚ハム252日
ソーセージ147日
長い…
(今回のウイルス型である)豚コレラ2.1dウイルスとC株ワクチンとには ①分子変異 と ②抗原性の差異 があり、C株ワクチンは2.1dウイルスに対し有効ではない、としている。
2月10日のNHK報道では次のような警告を発していた。
「岐阜県と愛知県の飼育施設で見つかったウイルスは、ブタに高熱を引き起こす一方で、2週間が経過しても死なないことも分かった。
農林水産省は「高い発熱が特徴だが、すぐには死なないなど、一般的に言われる症状が出ない可能性もあるので、関係者は症状の特徴を踏まえて早い段階で異変を見つけてほしい」と呼びかけている。」
豚コレラ生ワクチン開発者の清水悠紀臣北大名誉教授によると
「豚コレラには、欧州の事例をみると、急速に感染が広がって収まる終息型と、持続型に分かれる。猪の生息密度が高くウイルスの毒力が弱いと持続型。
今回は最初の発生から約4カ月が経過。持続型ならば撲滅には10年以上かかるかも?」と。
▼豚コレラ撲滅計画を 生ワクチン開発、清水北大名誉教授に聞く
まだ早いかもしれないが…と前置きした上で教訓を載っけてくれている。参考までに。
(1).ウイルス特性に応じた感染拡大阻止戦略の重要性
今回の豚コレラウイルスが2014年から中国で、すでにC株ワクチンで制御されていた養豚場を次々と襲ったものであったと、早くからわかっていれば、それ遅発性に応じた阻止戦略の構築は可能だったろう。
(2).養豚団地のバイオ・セキュリティは大丈夫か?
愛知県田原市野田町の養豚団地での17,325頭規模の殺処分は、今後の養豚団地のあり方に、疑問を抱かせた。
ウイルス感染阻止の場合、養豚団地は、「集まって強くなる」のではなくて、かえって「集まって弱く」なってしまうのである。
(3).ブランド豚の再生は可能か?
今回、岐阜県では、いくつもある岐阜県内のブランド豚の産地が軒並み豚コレラでやられてしまった。
問題は、これらのブランド豚のスキーム、~維持するために、いわば、工業産品のOEM的に、子豚を県外から供給し、それを育成し、ブランド豚の産地形成を図るというスキームが全国定着してしまっていることである。
果たしてこれが、バイオセキュリティ的に安全なスキームなのか?疑問が残る。
そもそも問題がどこにあるのかも分からない。感染ルートがわからない。感染ルートが疑われるものは複数あるけれど一番無難な(誰も責任を問われない)イノシシ感染ルートに落ち着かせようとしてるのは気がかり。
個人的感想など
重大な瑕疵があったとしても叱責されない、制裁されなくていいからまずは疑われる感染ルート一つ一つを徹底的に洗って欲しい。
今後入ってくる可能性があるアフリカ豚コレラの対策になるから。間違いなく。
岐阜県も愛知県も農林水産省も、豚コレラ対応の初動を誤ったのか?
それは、農研機構が、発生直後に、今回のウイルスが新種であると分析してたのに、政府・両県とも、遅発性というウイルス特性にマッチしたウイルス対応戦略をうちだせなかったからだ。
ひとえに、政治・行政の責任であるといえる。
この指摘は重い。国会の質疑も最初は楽勝ムードが漂ってた。
鳥インフルや口蹄疫に比べたらちょろいちょろいと言わんばかりに。
日本が岐阜での豚コレラ(CSF)問題に追われている間に、中国でのアフリカ豚コレラ(ASF)は、中国国内では一応の終息の方向をみせてはいる。
一方、豚肉加工製品を通じてのウイルスの検疫での摘発は台湾を初め塁乗的に増えつつある。
もし、野生イノシシに豚コレラウイルスが依然残存している日本に、更にアフリカ豚コレラウイルスが侵入してきたら、どうなるのか?
興味深い研究がここにある。
①生後24時間以内に豚コレラ(CSF)に感染させたAグループの野生イノシシ
と、
②生後無菌室に入れたBグループの野生イノシシ
とに対し、同時にアフリカ豚コレラ感染をさせたところ、
生後無菌室に入れたBグループは程なく臨床症状を示し死亡したのに対して、
すでに豚コレラ(CSF)に感染させたAグループは、さして臨床症状を示すことなく、実験の最後まで生存し続けたと言う。
参考
その原因として、~すでに豚コレラ(CSF)に感染させたAグループの野生イノシシには、インターフェロン阻害物質が出来ていて、著しく劇症性が緩和されていたのだと結論付けている。
豚コレラに罹患している患畜がさらにアフリカ豚コレラに罹患すると、
生存日数が長くなる=感染拡大に寄与する
ってことですか…
ヤバイ…