豚コレラについて現状持ち合わせてる情報は…
というあたりです。
議事録調べたところ、昨年11月8日の参議院(衆議院の間違い)の農水委員会で吉川大臣が冒頭の挨拶で豚コレラに言及してるのが一番始めっぽい。
ニュースとかも絡めて調べていければいいな。
《吉川大臣》
本年九月に岐阜県で豚コレラが発生しましたが、患畜等の迅速な処分や野生動物の農場への侵入防止の徹底等により、蔓延を防止しました。今後も、動植物の防疫措置等に万全を期してまいります。
この時点では「蔓延は防止した」としてる。ニュースはどうだったんだろう。
これ第一報かな?
ある獣医師は「豚コレラは、いのししを媒介として感染するもので、ダニ類を媒介とするアフリカ豚コレラや、広範囲に飛び回る野鳥を媒介とする高病原性鳥インフルエンザ、それに空気感染がある口蹄疫と違って、感染経路がかなり限定される。
いざ、という時にはワクチンもあり、防疫上はきわめてコントロールしやすい動物疾病といえる。発生農場だけで封じ込めることができれば、(当該農場を起点として)水平感染する可能性は極めて低い」と話している。
だが、一時停止措置となっている輸出再開の動きが気になるところだ。
〈畜産日報 2018年9月11日付より〉
この時はまだ楽観視しててむしろ輸出への影響を気にしてる。
状況変わるのは12月22日に愛知で見つかってからかな?
▼愛知でも豚コレラ=9月以降2県目
順序が逆になるけど…
11月27日参議院農水委員会
《公明党里見議員》
9月9日に岐阜県の養豚場で実に二十六年ぶりの豚コレラの発生が確認をされました。その後、11月16日には二例目が発生し、周辺の野生イノシシには、11月22日現在で57頭、23日で58頭もの感染されたイノシシが発見をされております。
高鳥副大臣におかれては、先週11月21日に現地まで御訪問いただき~。農水省も発生が伝えられるやすぐに豚コレラ防疫対策本部を立ち上げ、対応方針を決定するとともに、疫学調査チームを派遣してその感染経路の究明に当たっていると承知~。
11月23日には、国との協議の上、~出荷が再開されたということでございますが、これで一段落したということで考えてよろしいのでございましょうか。
《政府参考人 池田》
1月16日に岐阜市畜産センター公園で二例目の豚コレラが確認されたことにより、搬出制限区域の設定、当該センター公園と同一の屠畜場を利用し、関連のある養豚農場は監視を強化~。これまでのところ、異常はございません。
9月の第1例目の発生以降、感染経路の究明に向けて調査を行っておりまして、二例目は11月20日に飼養衛生管理に不十分な点があったことを公表~、農場での飼養衛生管理の徹底について、都道府県あるいは養豚関係団体を通じまして生産者の方々に改めて指導。
《吉川大臣》
岐阜県の豚コレラ~は、防疫の進捗状況等の情報をお隣の愛知県を含む全都道府県に対して速やかに提供もいたしております。その上で防疫の徹底を促した~。そのほかに、人手が不足をしている場合には他県から応援人員を派遣するなど、迅速な防疫措置も支援をしている~。
11月の時点では政府もコントロールできると思ってるし、大臣、政務官もその上で発言してる感じあるね。
そもそも11月のって臨時国会やでな?あの時は農水委員会も何かと騒がしかったよね。
改正漁業法もあったしTAGなのかFTAなのかってのも農水委でやってた気がするし…
11月28日の衆議院外務委員会
日欧EPAの文脈の中で自民党の中曽根康隆議員が質問している。中曽根元総理のお孫さんなのね。はじめまして。
《中曽根》
豚肉については依然、EUに対しては輸出ができないということに~。輸出するためにはEUの第三国リストに掲載される必要がある~。地元~この輸出解禁に強い関心を持っております。この豚肉の輸出解禁について、現在の政府の進捗状況等あれば。
《小川政府参考人》
豚肉についてでございますが、平成27年に輸出解禁を要請し、積極的に協議を行っている~。
EUに豚肉を輸出できるようにするためには、第三国リストに日本が掲載され、その後、EUの求める衛生管理基準に対応した施設がEUに登録されることが必要になっている。
現在、第三国リストの掲載について協議している~。第三国リストに掲載されるためには、質問票への回答、残留物質モニタリング計画の承認、現地調査の実施、それにEU加盟国間での協議が必要。昨年10月、EUの現地調査が実施され、本年4月、調査結果が公表されている。
他方、EUに豚肉を輸出するためには豚コレラ清浄国であることが求められている中で、本年9月、さらに11月、岐阜県におきまして豚コレラの発生が確認された~。
今般の岐阜県での豚コレラの発生確認につきまして、防疫措置を徹底することにより、まず清浄化に努めながら、第三国リストへの掲載について、食品衛生を担当する厚生労働省とともにEUと精力的に協議を行ってまいりたい~。
おもしろい。日欧EPAでも豚肉をEUに輸出しようと思えばEU基準に適合する必要があると。なるほどな。このやり取りはかなりおもしろい。
12月11日の参議院の農水委員会
自民党藤木議員が4例目の発生を受けて対応が後手にまわっているのでは?と政府に指摘。
高鳥副大臣が適切に対応していると答弁。
既出の里見議員も感染の拡大を危惧。政府は適切な対応を強調。
で、たぶん野党としては初かな?民民の徳永議員がこのタイミングで質問してます。
(衆議院でも維新の方が質問してたんだけどジビエの話につなげてて中身なかったので割愛。)
《民民徳永》
岐阜の自治体議員から情報がありました。豚コレラが発生した農場の豚のふん尿、これが共同堆肥場に置かれていた~。これ、発生が確認される前に堆肥として畑にまかれていたとしたら、大変なことだと思います。
野生のイノシシからも豚コレラの陽性事例が確認されたということで、野生のイノシシが豚コレラに感染をして走り回って、媒介となって広げていく、こんなことがあってはならないと思いますが、この懸念に対してはどのように対応していただけるんでしょうか。
《政府参考人池田》
一般的に、家畜の排せつ物は、一定期間発酵処理をされた後に堆肥として使用をされるということで、発酵処理の過程で温度が上昇いたしますので、豚コレラのような病原体は不活化をされます。
また、家畜伝染病予防法に基づく飼養衛生管理基準でも、豚コレラなどの特定症状が確認された場合は農場からの排せつ物の出荷や移動は行わないとされておりますし、万一発生した場合、農場の排せつ物は家畜伝染病予防法に基づき焼却、埋却又は消毒する~。
発生原因につきましては拡大疫学調査チームが現在調査中であり、可能な限り早く取りまとめていきたいというふうに考えてございます。
”37℃に加熱した肉で1-2週間、50℃で3日間は生存するという結果がある。そのために加熱処理の有効温度(肉なら中心温度は70℃で30分以上あるいは 80℃では3分以上と定義されている”
この段階ではまだ完成経路わかってなかったんか…
その後はアフリカ豚コレラの話になって終わり。
とりあえず議事録で確認できたのはここまでだけど、翌日に愛知で確認されることになるんだよね…
ここからはニュースあさるか。
とりあえずのまとめ
イノシシが媒介してるってのはわかってるけど、『どういう経路で』がわからへんってことね。
ニュース
▼「日本から豚がいなくなる」も…なぜワクチン打たず? 豚コレラ拡大の悲痛の中で苦悩する政府
豚コレラの拡大は1府4県に
江藤拓対策本部長は、「今までとはステージが違う」と危機感を示した上で、政府・党一丸となって収束を図ることを訴えた。早急な感染経路の解明と生産現場の防疫対応が求められている。
その感染源は未だ不明の状況で、終わりの見えない状況に不安は限界に達している。
焦点となっているのは、ワクチンの使用を行うか否かだ。
飼育されている豚に豚コレラのワクチンを打てば、体の中に抗体ができるため、ウイルスの感染は防げることになる。~養豚農家からは、「一刻も早くワクチンを打って感染拡大を止めてくれ!」との切実な声が挙がる。
ワクチン接種の全面中止から1年後の2007年に、国際獣疫事務局(OIE)の規約に従い日本は「豚コレラ清浄国」となった経緯がある。この世界的なお墨付きによって、日本産豚肉を輸出する道が開けることになった。
こうして「豚コレラ汚染国」脱却に長い年月と労力を要したにも関わらず、今回ワクチン接種に踏み切れば、再度「汚染国」に逆戻りすることになり、自民党関係者からも「ここまで積み上げたステータスを全て捨て去ることになる」との悩ましい声が漏れてくる。
19日に自民党で開催された、養豚農業振興議員連盟の会合でも「ワクチン接種」を求める声が出席者から挙がったが、一方で仮に野生のイノシシが媒介となっているならば、管理している豚と違ってどう対応できるのといった懸念の声も挙がった。
今年2019年は農林水産物・食品の輸出額1兆円の目標年でもある。~目標達成が視野に入った。畜産物も当然その対象であり~。悲痛な声を挙げる生産者と、ワクチン接種で汚染国になることのデメリットの狭間で、政府は苦しい立場に立たされているのだ
まぁやっぱり考えられるところは輸出への影響1点やでなー。やっぱりそこかってとこに着地したな。
▼野生イノシシに餌ワクチン 豚コレラ対策で農相是非判断
タイトルと内容2回くらい見直した…
えっ?そこ?
みたいな…
家畜には投与してません。だから清浄国ですって持っていく感じ今の日本っぽくてヤバみがすごい…
感想的な結論
豚コレラは「すぐに抑えられるものとされてた」ってのが被害の拡大を生んだ可能性はある。ただ、口蹄疫や鳥インフルエンザに比べたらコントロールしやすいものだったって認識を持つ理由もわかる。
初動が適切だったか…は検討される必要あると思うけど、そこまで責められないという感覚。
糞尿の処理がきちんと行われていたか…はチェックされるべき。
感染源はわかってるけど感染ルートが分かってないってのも怖いとこだよね。イノシシの侵入を防げばいいって話だけどすべての養豚業者が完全にシャットアウトするのは無理だと思う。そんなお金ないし。
分水嶺は2例目が確認されたタイミングだったんじゃないかな。国会内ではのほほんとした議論だったけど、農水省内や東海農政局ではかなり緊迫してたんじゃないかな。
政府は農産物輸出1兆円という目標が遠のくとか、日欧EPAを締結したその機運に冷水を浴びせることになるとか言ってるけど、豚肉の国内消費量って生産量を大きく上回ってるわけだし輸出云々の前にまずは養豚業者のダメージを少なくすることを考えるべきじゃないかなー。
現状5府県だけど北関東には群馬、西の方に行けば鹿児島・宮崎の養豚2トップがおるわけやしこのまま指くわえて見てるわけにはいかへんのちゃうかな。
そもそもワクチン打ってもその豚食べれるわけやし、ただただ殺される豚可哀想やし。
難しい決断なんだろうけど、まずはワクチン接種じゃない?というのが個人的な結論かなー。また今国会での質疑確認してみる。
アフリカ豚コレラは中国で蔓延してるらしいし待ったなしだよね。これこそどう対応すればいいんだろうって頭抱えるわ…