結局行われました。史上初の米朝首脳会談。
直前にやっぱりやらないって言い出した時はどうなるかと思いましたが無事開催されました。
これから先の朝鮮半島情勢を展望してみようと思います。
米朝首脳会談までの流れ
そもそもの流れができあがったのは平昌オリンピック・パラリンピックから。
南北の融和ムードを作り出し、韓国高官の北への派遣を経て一気に南北首脳会談に持ち込みました。
米朝首脳会談の話が持ち上がったのは3月8日。
韓国の鄭義溶(チョン・ウィヨン)国家安全保障室長が、南北首脳会談の下地作りのために訪朝した結果をトランプ大統領に伝えに渡米したタイミングでした。
「直接会い、話をすれば大きな成果を出すことができるだろう」
という金正恩委員長の言葉を伝えられたトランプ氏はその場で「会おう」と即答。
史上初の米朝首脳会談があっという間に日程に上ることになりました。
これ今でも超覚えてます。衝撃でした。
▼トランプ米大統領、米朝首脳会談の要請受諾 5月までに(’18/3/9)
http://www.bbc.com/japanese/43340292
5月までに…
という話でしたが延期され6月になったのはトランプ陣営のスタッフの少なさが問題だと思いますので誤差の範囲内。
米国大統領がトランプでなければ、韓国大統領が文在寅でなければ、北朝鮮のトップが金正恩でなければ。
さらに言えば、韓国の国内情勢が今の状態でなければ、北朝鮮の国内情勢が今の状態でなければ今回の米朝首脳会談はなかったはずです。
奇跡的な会談だったと思います。
数年以内にもたらされる朝鮮半島和平
今回の会談で合意されたのは以下の4つ。
1.アメリカ合衆国と北朝鮮は、平和と繁栄を求める両国の人々の願いのために新しい関係の構築に取り組む。
2.朝鮮半島の持続的で安定した平和体制を構築するため、共に努力していく。
3.2018年4月27日に発表した「板門店宣言」を再確認し、北朝鮮は朝鮮半島の完全非核化に向けて努力する。
4.身元の確認された人の速やかな返還を含め、戦争捕虜や行方不明者の帰還に向けて取り組む。
既定路線の「非核化」をバーターにした「体制の保証」です。
たぶん物事はこの通りに進んでいくでしょう。サプライズはないと思います。
数年以内に朝鮮半島に平和がもたらされると思います。
なぜなら、朝鮮半島和平はトランプと正恩、双方にとって利益があるからです。
トランプは常日頃から「世界の警察をやめたい」と言っていました。
つまり、各国に駐留する米軍を引き上げたいということ。
極東に派遣している米軍は基本的に朝鮮半島有事のための部隊です。
軍事費も削減できます。
4月30日に金正恩についての妄想を書きましたが、あれを前提とすれば、正恩は間違いなく国際社会への復帰を求めています。
その最低条件が「朝鮮戦争の終結」「完全な非核化」であることは言うまでもありません。
北朝鮮の現体制にとっては朝鮮戦争や韓国との対立は百害あって一利なしですので率先して和平に向けて行動していくだろうと思います。
ちなみにですが北朝鮮の”モデル国”となるのはシンガポールだろうと言われてます。
彼の国も一党独裁でかなり強権政治を敷いてます。
今回の米朝首脳会談の会場がシンガポールになった理由の一つだと考えられています。
話がそれました。
というわけで、トランプと金正恩の思惑はほぼほぼ一致しています。
故に朝鮮半島和平を阻害するものは何もありません(というふうに私には見えます)。
なので、このまま波乱なく進んでいくと思います。
と捉えるのは楽観的すぎるでしょうか?
どうでしょうか。