ほぼ週刊よこやま

ある一人の友達のために始めたニュース解説記事。私の視点から見えるもの。

【いわゆるカジノ法案について:概略と危険性】

ここにきてにわかに話題にのぼるようになった「カジノ法」についてザッと概略とその危険性を書いておきます。

基本的に”反対”の立場で書いてます。

 

カジノ法とは

2013年に維新が提案したことを発端に

『カジノを含むリゾート施設(=IR)を作り観光客を呼び寄せよう』

というのがそもそもの着想です。

その後、維新の案に乗った安倍総理が、

2014年のシンガポール訪問時に「成長戦略の目玉になると思う」と発言。

そこから法整備の流れが進みます。

 

2016年末に『IR推進法』というのが国会で可決されました。

このときも結構議論があったんですが、

推進法はあくまで推し進めるための法律なので特に実態を伴わないわけです。

『そういう機運を高めよう!』

くらいのものです。

 

そして、現在議論されてるのが『IR実施法案』というもの。

これは実際に運営していくための様々な法律的な規則を作るものです。

この法律が通ればIRの運営が可能となります。

 

当然議論となるのは日本で違法となっている《カジノ》の可否です。

今回の法律はカジノを合法化するための法律となります。

 

カジノ法の論点

主な論点は以下の3点

1.依存性

2.経済効果 / 運営主体

3.”客”の割合

 

1.依存性

カジノはつまるところギャンブルです。

問題になるのはギャンブル依存症

その対策として、日本人には「6,000円の入場料」と「月10回までの入場規制」をかけるとしました。

(月10回って3日に1回ペースなのでその時点で既に依存症と言える気がするんですけど、とりあえず置いておきます。)

果たしてこれが十分な対策になるかどうかの判断は私にはできないのですが、

日本は外国と比べてもギャンブル依存症患者が多いという結果が出ています。

 

ギャンブル依存症疑い320万人 厚労省推計、諸外国と比べ高く(’17/9/29)

https://www.nikkei.com/article/DGXLASDG29H65_Z20C17A9CR8000/

 

追加の措置をとるのか、それともこのまま押し切るのか。

今後の議論として注目したいところです。

 

2.経済効果 / 運営主体

「経済成長の目玉」ということなので経済効果は気になるところ。

経団連の試算ではIR全体の収入が2100億円~3300億円、波及効果も含めれば6000億円の経済効果があると見ています。

 

そしてその運営主体ですが、日本には(当然)カジノ運営のノウハウはないため、海外企業を誘致することになります。

ラスベガスがあるアメリカ、香港、シンガポールの企業が虎視眈々と狙っています。

IRの収入の大半はカジノでの客の負け金ですので実質的に海外企業が旨味をかっさらっていくのではないかと不安は残ります。

 

3.”客”の割合

最後に来場者数の内訳ですが様々な試算で、

・日本人7~8割

・外国人2~3割

となっています。

「海外観光客の需要を取り込む」としていますが、実態は日本人の消費を奪い合う構図になりかねず、本当に経済的な効果があるのかは疑問が残るところです。

 

 

それ以外にも、

反社会勢力の資金洗浄(=マネーロンダリング)の場になるのではないか。

とか、治安が悪くならないか。などなど。

不安点や問題点は山積しています。

 

 

そもそも論として

カジノ法案ってそもそも国民に求められていません。

今年3月、時事通信が行った世論調査では賛成が22.6%、反対が65.1%でした。

8日にも委員会採決かと言われていましたが、

新潟県知事選への影響を考え取りやめています。

 

カジノ法案、委員会採決見送り 新潟知事選への影響懸念(’18/6/8)

https://www.asahi.com/articles/ASL6830T2L68UTFK004.html

 

成長戦略を論じるのは確かに大事なんですけど

個人的には

「ギャンブルで経済成長ってどうよ。ヤクザかよ。」

と思うんですけどズレてますかね。

 

追記

この後大門実紀史さんが書かれた「カジノミクス」を読んでさらに理解を深めるとともに、

論点の浅さを恥じました。

日本でも”賭博”は許容されていますが、越えるべきハードル(要件)があります。

1.目的の公益性

2.運営主体等の性格

3.収益の扱い

4.射幸性の程度

5.運営主体等の廉潔性

6.運営主体等への公的監督

7.運営主体の財政的健全性

8.副次的弊害の防止

(カジノミクス / 大門実紀史著:P60)

などですが、国会の議論でこれらのハードルが越えられたとは思いません。

各地で誘致合戦が始まってますが、地方自治体等への負の影響も心配です。