1月22日、通常国会が開会となりました。
これから6月30日まで続きますがそれに先駆けて安倍総理の所信表明演説が行われました。
これは行政府の長である総理大臣が、
一年間の政府の基本方針や政策についての姿勢を示すために行われる演説です。
その中身から今の政府がどこに力を入れようとしているかを理解し
これから先どのような動きが読み解いていきましょう。
というのが狙いです。
施政方針演説の内容
▼第百九十六回国会における安倍内閣総理大臣施政方針演説
https://www.kantei.go.jp/jp/98_abe/statement2/20180122siseihousin.html
数日前に流しましたがあらためて内容の確認をしておきます。
1.明治150年
・全ての人材の活用
2.労働問題
・長時間労働の是正
3.社会保障
・社会保障制度の転換
・介護人材、保育人材への言及
・教育の無償化
4.経済問題
・アベノミクスの成果
・中小企業への支援拡充
・法人税の減税
5.地方
・林業の大規模化
・農林水産物の輸出促進
・観光業の促進(IR=カジノ含む)
・東北の復興
6.外交
・TPP等の貿易協定の推進
・北朝鮮への対応
・防衛力の強化
・日米同盟の深化
となっております。
詳しい内容は演説そのものを読んでいただければと思います。
今年の特徴
2017年1月25、31日に書いた
【施政方針演説より読み解く今後の政権運営】
と見比べてみます。
昨年のラインナップはこちら。
~~~~~~~~~~~~~~~~~
1.外交問題
・アメリカとの関係強化
・TPPを含めた貿易協定の推進
・露中韓との関係改善(初めにロシアに言及)
2.安倍政権の国内での成果
・”名目”GDPの増加(物価上昇を勘案した”実質”GDPじゃないことに注目)
・訪日外国人(観光客)の増加
・『強い農業』の推進
3.震災復興を含めた災害への対処
・福島の除染、公営住宅の建設推進
・老朽化が進むインフラの維持や整備
・テロ対策
4.労働について
・同一労働同一賃金の推進
・配偶者控除の見直し
・保育・介護職の賃金改善
5.将来世代について
・大学奨学金の拡充(ただし給付ではなく貸与)
~~~~~~~~~~~~~~~~~
基本的に政治的スピーチは
『重要であると考えている順』に言及していきます。
そして報道各社もそのように捉えます。
つまり昨年の場合は”外交”が最重要課題だったということ。
今年は”明治150年”をトップに据えています。
明治維新は薩長を中心に起こした政治革命(ないしはクーデターと捉える向きもある)でした。
安倍首相は生まれも育ちも東京ですが安倍家は元来山口を選挙基盤としており、自身も長州出身者としての自負を強く持っています。
欧米列強という当時の”国難”と、少子高齢化という現代の”国難”を重ね合わせ、
『長州出身の自分こそが明治期同様、”国難”を乗り越えるのだ』
という強い思いが滲んでいます。
官邸は内閣官房主導で『明治150年ポータルサイト』というサイトを作っており並々ならぬ意気込みを感じます。
▼明治の歩みをつなぐ、つたえる
https://www.kantei.go.jp/jp/singi/meiji150/portal/
会津の思いはどうなるのだという突っ込みはさておき、
今年は国内問題に注力していくようです。
その詳細は次回に譲ろうと思います。
とりあえず今回はこのへんで。