ほぼ週刊よこやま

ある一人の友達のために始めたニュース解説記事。私の視点から見えるもの。

【銃規制に踏み出せないアメリカ】

現地時間1日(日本時間2日)にラスベガスで銃の乱射事件が起こりました。

 

▼ラスベガスで銃乱射事件 50人以上が死亡、400人負傷(’17/10/2)

http://www.huffingtonpost.jp/2017/10/02/las-vegas_a_23229288/

 

IS(イスラム国)が犯行声明を発表しましたが便乗しただけだと見る向きが強いようです。

最新の情報では犠牲者は59人にのぼるとのことで過去最悪の銃乱射事件となったようです。

ほんと「アメリカ何回目だよ」と思ってらっしゃる方多いと思います。

「早く銃規制しなよ」と思ってらっしゃる方も多いと思います。

けどそうならないんですよね。

なぜでしょう。

それは『銃で儲かる人がいる』からです。

 

順を追って説明していきます。

 

合衆国憲法修正第2条

アメリカ合衆国憲法の2条に”武装権”と呼ばれるものが明記されています。

 

”A well regulated militia, being necessary to the security of a free state, the right of the people to keep and bear arms, shall not be infringed.”

”規律ある民兵は自由な国家安全保障にとって必要であるから、国民が武器を保持する権利は侵してはならない”

 

とあります。

合衆国憲法の制定が1787年で修正第二条はその4年後の1791年に追加されています。

この頃のアメリカ史はまったく詳しくないのですが、

インディアン戦争の終結が1890年とされていますので

先住民族との対立から”自国”(元々は先住民の土地)を守る(維持する)ため、

また、独立戦争の直後ということ、さらにはアメリカには元々正規軍がなく

民兵が主たる戦闘要員だったこともあり

斯様な規定ができたのだと推察します(知らんけど、たぶん、そう)。

これがアメリカで銃の所持が容認されまた支持される理由になっています。

 

全米ライフル協会の存在

アメリカには「全米ライフル協会(NRA)」という銃愛好家による”市民団体(!)”があるのですが

設立は1871年で市民に銃器を普及させることや射撃技術向上が活動の始まりだそうです。

銃メーカーとしては販売促進してくれるわけですからありがたい存在で、

NRAとの蜜月関係ができていきます。

1970年ごろから国内での銃保持者の数が急激に増え

それにともなう銃による犯罪が増加し始めるとアメリカ国内で銃規制の声が高まります。

危機感を募らせたNRAは銃器メーカーや販売店からの潤沢な資金を元手に、

銃規制反対派(主に共和党の右派政治家)に対しロビー活動(自身の利益をはかるために政党や政治家に働きかけをすること)を始めます。

現在では、400万人以上という会員数と莫大な資金を背景に政治に深く介入。

様々な人がNRAから献金を受け取っていることが明らかにされています。

(ちなみにですが、NRAは元来「銃があるからこそ自己防衛が可能なのだ」という主張をしており、銃乱射事件が発生するたびに銃器の売上が上がるというのが最近の動向です。)

 

▼【カリフォルニア銃乱射】政治家は追悼しながら、銃ロビー団体献金を受けている ジャーナリストが暴露(’15/12/7)

http://www.huffingtonpost.jp/2015/12/06/gun-control_n_8735778.html

 

また銃メーカーから直接献金を受けている議員も多く

銃乱射事件が起これば毎回湧き上がる銃規制の議論も気づけば有耶無耶になっている。

というのがアメリカで銃規制が進まない理由なのです。

 

ちなみにアメリカ全土で所持されている銃の数は3億1000万丁以上と言われており、

そもそもこの銃を無くしてしまおうという発想がかなり非現実的だということ、

銃器の販売を違法にしてしまうことでギャング等の資金源になってしまう可能性が高いということも

銃規制を阻害する要因になってしまっています。

最終的に決めるのはアメリカ国民ですが

銃があったからこそ起きた事件であることは確かです。

犠牲者の死が無駄にならないことを願ってやみません。

 

 

最後にムダ知識なのですが、

南北戦争(1861-1865)終結アメリカでは大量の余剰兵器が発生します。

それが日本に流れ込み戊辰戦争での優劣を決定づけることとなりました。

戊辰戦争の幕府側の敗因は単純に火力の違いだったという指摘をどこかで見たことがありますがウソかもしれないのであまりアテにしないでください。