続きです。
代替案としての”トランプケア”
アメリカン・ヘルスケア・アクト(AHCA)を発表しました。
現行法(オバマケア)では”所得”に応じて補助の割合を決めていましたが
トランプケアではそれを”年齢”に置き換え
高齢者ほど厚遇されるような仕組みとしました。
そもそもオバマが保険制度の必要性を問いたのは
低所得者が保険に入れていないという現状があったからで
だからこそ貧困層向けの保険であるメディケイドを拡充したわけです。
トランプケアではその貧困層が再度無保険になる可能性が高いとして
識者からも反発の声があがっていました。
▼オバマケア廃止・代替案のあからさまな低所得層差別
http://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2017/03/post-7129.php
共和党主導で作り上げた本法案はすんなりと通過すると思ってました。
が、違いました。
代替法案の撤回
24日、共和党首脳は今回の代替法案を撤回することを発表します。
「可決に必要な票を確保できなかった」
というのがその理由ですが(随分正直)、
そのきっかけとなったのが共和党保守強硬派の造反でした。
共和党は基本的に”保守”と呼ばれる陣営ですが
その中にも穏健派から強硬派までのグラデーションがあります。
強硬派は市場に対する国家の介入を是としない新自由主義を支持しており
『オバマケア的なもの』に対し強い忌避感を示していました。
今回のトランプケアも「オバマケアと変わらない」として反対してきました。
結果トランプ陣営は強硬派を説得することが出来ず今回の出来事に繋がります。
そんな現状に危機感を抱いたトランプが、
http://www.jiji.com/jc/article?k=2017033100280&g=int
と引き締めにかかりました。
が、決まらない閣僚、右腕となるはずだったフリン氏の辞任に続き代替法案の取り下げと
かなり苦しい政権運営を強いられており政策実行能力にも疑問符がつき始めています。