この前実家に帰ってテレビを見てたら
ひたすら豊洲への市場移転の問題が取り上げられていました。
気付いたらこんな大きく取り扱われるようになってたんですね。
テレビが取り上げだせば”問題になってる感"ありますよね。
なんか感慨深いものがありました。
さて今回は、豊洲移転問題で争点にあげられている「水質汚染」ではなく
もっと根源的な問題があることを指摘したいと思います。
『そもそも豊洲への移転は無理があります』という結論に至るはずです。
たぶん。
豊洲への市場移転の経緯
そもそも築地市場の移転という話が持ち上がったのは2000年頃から。
施設の老朽化や耐震基準の問題、過密化等もあいまって議論されるようになり
都は2004年に移転先を豊洲に決定しました。
「そもそもなんで豊洲になったの?」
とかそういうとこ調べていけばキリがないのでご容赦ください。
卸売市場の移転には(たぶん新設も)農水省の許可がいるらしいのですが
”豊洲”への移転に難色を示しました。
豊洲のガス工場は1956~88年まで稼働しておりましたが、
その当時は石炭を高温高圧下にさらすことで
燃料(ガス)を取り出していました。
そこから出る残渣(コールタール等)や副産物に有害物質が含まれるため
ガス工場の跡地で食品を扱うことに抵抗があったわけです。
事実、環境基準を大きく上回る値の有害物質が検出されていました。
なので、豊洲移転が本格化し始めた2014年頃には
豊洲移転の危険性を指摘する人たちは相当数存在しました。
それを都が
「汚染物質に関してはきちんと対策を施し、2年間の水質モニタリングを行うことで万全を期します!」
と宣言したため一気に動き始めたわけです。
それが盛土したしてないでこんなことになるなんて。
そもそも豊洲が卸売市場に不適である理由
環境汚染がとか、食物汚染が、とかそういう話ではなく
すっごいそもそもの欠陥として
豊洲市場は「床が抜ける」可能性があるんです。
比喩ではありません。ほんとです。
「建物が、面積あたりどこまでの重さに耐えれるか」
という指標に『床積載荷重』というものがあります。
市場内ではフォークリフトやターレーなどを使用して荷物の運搬を行うのですが、
自重約1tのフォークリフトは2t程度の荷物を運搬出来るようにつくられているらしく
運搬時の最大重量は約3t程度となります。
トヨタのフォークリフト調べてみたんですけど(詳しくは以下URL参照)、
床に重量がかかる部分のみで計算しましたが、
縦1.76m×横0.9m=1.585㎡
(http://www.toyota-lf.com/products/detail/petit_runner_g/pdf/petit_runner_g_01.pdf)
よって、3t÷1.585㎡=1.89t/㎡の床積載荷重が最低でも必要なわけですが、
豊洲仲卸売場の床積載荷重700㎏/㎡、卸売場は1t/㎡なんだそうです。
実際に開示請求した人のツイッターがまとめられてるのでそれを載せておきます。
(http://togetter.com/li/937234)
築地の床積載荷重はサクッと出てこなかったのですが、
コミケで有名な東京ビッグサイトの床積載荷重は約5t/㎡だそうです。
ちなみに豊洲市場の床積載荷重の問題に関しては、
「東京都中央卸売市場」というHP内のQ&Aで回答していますが全く回答になっていません。
http://www.shijou.metro.tokyo.jp/toyosu/faq/06/
汚染物質に敏感になるのはわかるのですが、
こういう根源的な問題にの解決なしに豊洲移転はありえないと思います。
いずれにせよ「責任者はいなかった」で片付けられる範囲はとうに超えてしまっただろうと考えています。
最後に
余談ですが、築地には第五福竜丸が持ち帰ったマグロを埋めた”マグロ塚”があります。
詳しくは以下URLから見てもらいたいのですが、
東京の台所を”食料汚染の危機”に晒すことは
彼らの想いに反するのではないだろうかと思ってしまいます。
一部の人たちのためではなく都民のための行政を切に願ってやみません。
▼第五福竜丸元乗組員の訴え“マグロ塚を築地に”