先日行われた候補者同士の討論会では
冷静に対処したとみられたクリントン側に軍配をあげる向きが多いですね。
次回は10月9日、そして最終は10月19日です。
トランプ陣営も巻き返しに必死になってくるでしょう。
ほんとに何が起こるかわからない選挙戦。
そもそも去年の今頃、
共和党の最有力候補はブッシュ元大統領の弟ジェブ・ブッシュ氏でした。
その次に取りざたされたのは保守系グループ「茶会派」の支援を受けたルビオ氏。
1年前はまさかトランプ氏が候補になるなんて誰も思っていないのでした。
一寸先は闇。
現在はクリントン氏優勢と報じられていますが、
候補者である以上トランプ氏の可能性は残っています。
そこで今回は、トランプ氏当選後のシナリオを日米関係に焦点を絞って書いてみます。
日本政府の想定
端的にお話ししますと、日本政府は”トランプ大統領”の可能性を全く検討していません。
たぶん。
それは前回安倍総理が訪米した際にクリントン氏とは会談しましたが
トランプ氏とは会うことすらしなかった点に顕著に表れています。
ただ、9.11追悼式典でのクリントンの体調不良問題を機に
▼ヒラリー・クリントン氏が肺炎 9.11の式典は脱水症状で途中退席
http://www.huffingtonpost.jp/2016/09/11/hillary-clinton_n_11967950.html
“トランプ大統領”の可能性も考えだしたのではないかと思っています。
勝手な推測ですが。
”クリントン大統領”と”トランプ大統領”の決定的な違い
クリントン氏とトランプ氏で決定的に違い、かつ、日本に最も影響を与えるのは
『安全保障』
に対する考えです。
クリントン氏はこれまでの政権同様、同盟国との関係は堅持するとの考えですが、
トランプ氏は膨らむ軍事費を指摘し、
「米軍の駐留費は駐留国に出させるべきだ」と主張しています。
▼「米軍駐留費、全額負担を」…共和指名確定(少し古い記事ですが)
http://mainichi.jp/articles/20160506/k00/00e/030/121000c
仮にトランプ氏が大統領に就任したとすると、公約通りに駐留費を払わない国からは米軍を撤退させることになります。
日本国は現在、「北朝鮮の核の脅威、中国の領海侵犯」を理由に米軍駐留の必要性を主張しています。
よってこれらの「脅威」が払拭されるまでは米軍駐留を求めることになるでしょうが
現在の”沖縄の感情”を考えるとそうとうハードルは高くなるでしょう。
これまで日本の安全保障政策は『米軍の「核の傘」に入り続けること』が唯一かつ絶対のものでした。
”トランプ大統領”の実現はこれを大きく揺るがすことになり、
日本政府は思いやり予算の在り方含め少なくない転換を求められることになるでしょう。