前回の記事でパナマ文書の開示が進んだ先に日本にどんな影響があるかということをあまり示せなかったので、
今回はそこの部分を書いていこうと思います。
前回のおさらい
パナマ文書は、富裕層がタックスヘイブンと呼ばれる国で租税(国や地方自治体が課す税のこと)回避行為を行っていることが公になることでした。
各国の大物政治家やその親族、大企業が租税を回避していた事実が記されていたために国民が怒り心頭。
日本は政治家にとって合法的に租税逃れができる国であるため、他国ほど政治家は問題にならないのではないか。
というのが前回までの流れでした。
パナマ文書による”リアクション"
これから各国では市井の人々が政治家や大企業に向かって、
「ふざけんな!お前たちも税金払え!」
という声をあげることになると思います。
そうなるとどうなるか。
政治家は職を追われ、大企業は不買運動を恐れて納税を行うことになると思います。
http://jp.reuters.com/article/panama-tax-iceland-pm-idJPKCN0X224M
国民の怒りはそれでも収まらず、
http://www.nikkei.com/article/DGXLASGM06H51_W6A400C1FF2000/
投資家にとってのリスク
こうなると、政権は安定せず、その国の経済を牽引していた大企業も経営が悪化する可能性があります。
投資家心理としては、「大損する前に引き上げよう」となります。
そんなわけで、投資家は”危ない場所”から引き上げますが、その引き上げた資金をどこに投じるか模索するわけです。
そして世界情勢が不安な時にとりあえず一番安全そうだとして選ばれるのが”円”なわけです。
円高への道筋
各国通貨が暴落するとき。
それは各国が債券の利息を支払えなくなった時であり、通常”デフォルト”と呼ばれます。
投資家に対して”債務”を履行できなかった時ですね。
そうなると、その国の通貨自体も信用出来ないとなり、価値が極端に下がります。
言ってしまえば紙くず同然になるということです。
よって資産家たちは「紙くずになりにくい資産」を求めることになります。
その先にたどり着くのが”円”なのですが、なぜ円が暴落しにくいかというと、その債券(国債)の殆どを日本国民が抱えているからです。
これをめっちゃ強引に説明すると、自国民であれば債務期限であったとしても自国紙幣を刷ってその人達に渡せばいいわけで、”不履行”にはならないからです。
(わかりにくいですよね。すみません。とりあえず「円は債務不履行に陥りにくい資産だと思われている」と思ってください)
よって、各国投資家による”円買い”が始まるわけですが、需要と供給の関係で、円が買われるとその価値が高まり円高となります。
円高による不利益
円高になると輸出産業にとっては向かい風になるため、売上の大半を輸出や外需に頼っている企業にとっては非常に苦しい状況になり、最悪破綻することとなります。
資源輸入大国の日本にとって決して悪くはない円高基調だとは思いますが、海外輸出に重きを置いてる大企業が多いため嫌われる(海外旅行をもくろんでる日本人旅行者にはとてもありがたい話ですが)。ということです。
その他
つまり以上のような理由で円高が進み、国内の輸出関連企業が軒並み倒れるのではないか。
というのがパナマ文書における日本への影響です。