今年に入ってから騒がしかったシャープの再建問題。
細かいとこまではわかりませんが、分かる範囲内で書いてみようと思います。
なぜ経営不振に陥ったか
2000年に液晶テレビの開発で一世を風靡したシャープですが、その液晶テレビが収益悪化の原因となります。
『シャープといえば液晶テレビ』という自負から液晶テレビ事業に多大な投資を行います。
2004年に三重県亀山市に約4000億円を投じ2つの工場を建てます(そういえば「世界の亀山モデル」ってCMありましたね)。
さらに2007年から大阪府堺市に60インチの大型液晶に重点を置いた工場の建設に着手しますが、翌2008年におきたリーマン・ショックの煽りをもろに受け大型需要は伸びず、逆に韓国サムスン電子の中型液晶テレビ攻勢にあい、在庫の山を築く結果となりました。
経営再建の試み
業績の悪化が顕在化した2012年から本格的に経営再建に着手します。
リストラ、賃上げ抑制の人件費削減、一部海外事業からの撤退、阿倍野の本社ビルの売却(これちょっと話題になったね)等を行いましたが、結局事業構造などの抜本的な改革を行うことはできませんでした。
にっちもさっちも行かなくなった所で買収・再建案を提示したのがiPhoneの製造で業務提携のあった台湾の鴻海(ホンハイ)精密工業と、官民出資の投資ファンド産業革新機構でした。
再建案の中身
【鴻海案】
・資金規模ー合計6600億円の投融資
・会社形態ー現状維持
・社員雇用ー現状維持
・経営陣ー現状維持
【機構案】
・資金規模ー合計5000億円の投融資
・会社形態ー部門毎に他者提携、切り離しを行う
・社員雇用ー再編状況次第
・経営陣ー総退陣
2案を見比べると(自分は)どう考えても鴻海案が受け入れやすいだろうと思いますし、シャープの経営陣も鴻海案に傾いていたと言われていますが、結局期限であった2月24日の取締役会で決議できず翌25日に持ち越し。
鴻海案を受け入れることを確認しますが、シャープの潜在的な債務が発覚。鴻海側から待ったがかかり再調査を行った結果、提示した投資額の1000億円減額が条件となりましたが、これをシャープが受け入れ鴻海傘下に下ることとなりました。
(ニュースでは『鴻海 シャープを3880億で買収決定』と見出しが出てると思いますが、その他株式の買取等をを含むと総額は5500億円程度の投資となります)
これがシャープ再建問題の大枠になります。
最後に
鴻海は2日の記者会見でシャープ従業員へ最大限の賛辞を送るとともに、「シャープへの投資である」と繰り返し友好関係を強調しました。
鴻海案、機構案、双方利点・欠点はあると思いますが、個人的には事業提携をしていた鴻海の案で決まって良かったと思います。
即断即決、強烈なトップダウンだと言われている鴻海の傘下に入ることで旧態依然としたシャープの経営陣はどこまで変わることができるのか、また大阪コピーライターズクラブ・最高新人賞を受賞したシャープのツイッターアカウントがこれまで同様キレキレのツイートを見せてくれるのかという点も含めて注目していきたいと思います。