マイナス金利政策の話をするとなると、まずアベノミクスについて話さないといけなくなります。
アベノミクスとは
デフレ基調だった日本経済を緩やかなインフレにしようというのが目的です。
デフレというのは物の価値が下がってお金の価値があがること。
インフレはその反対なのでお金の価値が下がって物の価値があがることです。
これ大事なので覚えておいてください。
アベノミクスで実際にやったことは、お金をじゃんじゃんマーケットに流すことです。
『お金がマーケットにあふれて”金余り”の状態になると相対的に物の価値があがるよね』という理屈です。
で、どうやってお金をマーケットに流すかと言うと、”国土強靭化"の名の下に行われた公共事業への投資(いわゆる財政出動)と金融政策です。
金融政策とは
金融政策とは、中央銀行が利率を変動させてマーケットのお金をコントロールすることです。
中央銀行の利率とは、中央銀行(日銀)と各金融機関(=銀行)との間の利率です。
金利を上げる→銀行は日銀にお金があれば金利で稼ぐことができるので、日銀にお金を置いておこうとする→マーケットの流通量が減る
という流れになります。
アベノミクスは金余りの状態を作り出したいわけなので金利を下げて、
金利を下げる→銀行は日銀にお金を置いておいても仕方ないので個人や事業者に貸し付ける→マーケットの流通量が増える
という流れを作りだそうとしました。
マイナス金利導入
しかし、もともと金利は十分に低かったためあまり効果はなく『それでは不十分だ』ということでマイナスの金利、つまり『中央銀行にお金を置いていると目減りしていくよ』という政策を導入することを1月末に決めました。
これでさらにお金の流通量を増やし、インフレを目指そう。ということです。
ちなみにこういう政策を話し合うのは、メンバー9人で構成される【日本銀行政策委員会】という委員会の中の【金融政策決定会合】という会合です。最終的に多数決で決められますが、この時は5対4の1票差で導入が決定したそうです。
メリットとデメリット
マイナス金利の導入により、銀行は『少しでも個人や事業者に貸して利益を得たい』と考えるため車や家のローンの金利が下がるのではないかと言われています(実際安くなったのかな?そこまで調べてないです。すみません)。
今のところ、マイナス金利によって被る恩恵はそれなりにありそうですが、長期化したりさらなる利下げとなれば(体力のない地方銀行なんかは特に)預金の利下げに踏み切らざるを得なくなる可能性があります。
そうなると預金者は一斉に引き上げるはずなのでマーケットは大混乱になるでしょう(たぶん)。
そのような事態に陥る前に経済を好転させることができるのかがマイナス金利の成否を分けるポイントになりそうです。